特集・グリーン化する社会の環境社会学

『環境社会学研究』28号の特集「グリーン化する社会の環境社会学−グリーンインフラとどう向き合うか」を担当しました。

僕は総説論文を担当。

以下の論文が掲載されています。

 

朝波史香・鎌田磨人「グリーンインフラとしての海岸マツ林の保全管理とローカルガバナンス──3地域の比較から見る政策的誘導のあり方」

佐々木惠子・一ノ瀬友博「阿蘇地域の草原維持に係わる労働力の閾値分析と求められる支援と対策」

高崎優子「創造的復興とグリーンインフラ」

茅野恒秀「グリーンインフラの環境社会学的分析視角──環境制御システム論の視点から」

 

少し前のことですが、環境社会学会の研究活動委員会の委員として、オンライン開催された第64回環境社会学会大会のシンポジウムの担当者となりました(2021年12月4日開催)。

学会シンポジウムのテーマを決めるのは、いつもなかなか大変です。

 

委員会で、案を出したら担当になるかもしれない。ある意味我慢比べみたいなところもあります。ある方が「グリーンインフラがいいんじゃないか」と発言。おそらく僕のことを念頭に置いていたと思います。僕が編者の『グリーンインフラによる都市景観の創造−金沢からの「問い」』をお渡ししていたからです。いつもの悪い癖で、「グリーンインフラいいかも」と乗ってしまいました。ヒョイひょいとテーマが決まってしまい、私がシンポジウムの担当になってしまったわけです。

 

環境社会学会は、大会シンポジウムと雑誌の特集を基本的に連動させます。つまりシンポジウムが特集になるわけです。したがって、半自動的に雑誌の特集の担当者にもなってしまいます。まあ、しばらく環境社会学研究に論文書いていないし、たまには貢献しなければという気持ちもあり。またグリーンインフラというテーマが環境社会学会で、どのように受けとめられるか、特に政策科学という点からも興味がありました。

 

ただシンポジウムの登壇者を探し、お願いするのは、やっぱり大変でした。旧知の人ばかりですが、特に異分野の人からすると、環境社会学会というよくわからない学会、あるいは怖そうな学会で報告したり、論文を書くのは、ややハードルが高いのかもしれません(ちなみに、僕は割と安請け合いというか、声をかけられたらホイホイ引き受けるので、異分野の学会での報告や論文執筆は割と経験しています)。環境社会学会で、グリーンインフラを研究している人はいないので、報告をお願いしたり、論文を書いてもらうのも、ご負担をおかけすることになり、なかなか大変です。

色々とありましたが、なんとか無事にシンポジウムを終え、次は特集論文です。

 

登壇者のみなさんは快諾され、締め切りの前後から原稿が届き始めました。僕は、それら論文を読んだ上で総説を書くという役割です。最後に書けばいいということで、甘えてしまい、なかなか執筆しませんでした。またいつもの悪い癖です。ギリギリにならないと書かない。とはいうものの、山に登っていても、いつも総説のことが頭をよぎっていました。総説なので、色々な論文をレビューする必要があります。久しぶりに、かなり勉強しました。改めて読んだ環境社会学の研究は、やはり面白く、とても勉強になりました。こうした機会があってこそ、僕のようななまけものは勉強するのでしょう。いよいよ書かねばならないと日を迎え、おおよそ3週間で書き終えました。ギリギリ間に合いました。

 

多くの方々にご迷惑をおかけしながら、なんとか脱稿。無事、出版となりました。

編集員のみなさん、出版社の担当者、特集論文の寄稿者をはじめ、多くの方々に感謝です。

 

この特集が、グリーンインフラや関連する分野の活性化、環境社会学と政策との接合に、少しでも貢献できれば幸いです。

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