大学院で学びたい人へ

2017年に金沢大学に赴任してから、私にも修士課程入学や研究生の受け入れなどの問い合わせが来るようになりました。
大学院ゼミで学びたい人に向けて私の考えを簡単に示します。

 

私の大学院ゼミは、環境社会学の研究をすすめます。具体的なテーマは、野生動物と社会の関係、自然環境と地域社会とのかかわり、まちづくり、エコツーリズム、ジオパーク、グリーンインフラ、協働と合意形成、環境ガバナンスなどです。最近、いしかわ生物多様性カフェという取り組みもはじめました。

 

正直なところ、文系の修士課程を修了しても、就職面でそれほどメリットはないと思います。環境社会学や周辺領域は、企業等ですぐに役立つ知識やスキルを提供する学問領域ではありません。
それでも学びたいのはなぜか?
修士課程で環境社会学を学んでこそ得られるものに関心があるかどうかが大事だと思います。

修士課程進学や研究生を希望される場合、ご自身が何を研究したいのか、修士課程で何を得たいのか、よく考えてから連絡をいただけると助かります。

 

 

ゼミでは、環境社会学や関連する本や論文を読んで議論を進め、環境問題や環境と共生を目指す活動や政策の現状と課題、解決策を考えていきます。こうした研究活動は研究室や大学の中でおこなうものです。

 

考えるまでもなく、環境問題や環境と共生を目指す取り組みは、具体的なフィールドで起こっていいます。だから文献を読んで議論するだけでは不十分です。

 

「問題や取り組みは会議室で起こってるんじゃない。現場で起きているんだ!」(私が若い頃に流行った、ちょっと古い映画のセリフをもじってみました)です。

 

私のゼミでは、聞き取り調査や参与観察といったフィールドワークを実践することを基本的な方針としています(アンケートも可能です)。フィールドは複雑怪奇で少し調査をしたからといってわかることは限られています。むしろ、わからないことがどんどん出てくることもあります。わからないこととの出会いは、深く考える機会です。あまり安易に結論を出さずに、あれこれ悩んでいただきたいと思います。ぜひフィールドから色々なことを学んでください。

まだフィールドワークに取り組んだことがない方もいるでしょう。そうした場合でも、どのようなフィールドワークが可能なのか、聞き取り調査の方法や分析の仕方について考えていきます。

 

修士論文は、フィールドワークから分かったことと本や論文から学んだことを総合的に考察しながら、書いていただきます。

 

 

金沢大学がある石川県金沢市は、歴史的な景観が残った日本で有数の観光地です。個人的には、ほどほど都会でほどほど田舎の住みやすい街だと感じています。山も近く、海も近く、美味しいものもたくさんあります。とても魅力的な街です。ただ金沢大学は中心市街地から外れた自然豊かな山の中にあり、交通の便はお世辞にもいいとはいえません。ときどきクマが出たりします。周りに遊ぶところはあまりありませんが、学ぶには静かでいい環境かもしれません。

雨の日がとても多い気候です。特に秋から冬にかけて天気が悪く、ときどき大雪になります。特に大学周辺は雪が多いです。いいかえると四季がはっきりしています。

こういった地域で学ぶこともいいかもしれません。

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