認定NPO法人自然再生センター総会で基調講演

認定NPO法人自然再生センターの総会で基調講演を担当しました。

島根県と鳥取県にまたがる中海では、自然再生推進法に基づいた自然再生が進められています。自然再生センターは、中海で自然再生を推進するために設立された認定NPO法人です。

初めて中海を訪問したのは、2015年9月末のこと。環境省の研究会での私の講演に興味を持った同省の担当者から、「ぜひ中海で自然再生の社会的評価をしてほしい」との依頼を受けました。聞いてみると、NPOが事務局になっている自然再生であり、日本の自然再生の中でも特徴ある取り組みとのこと。お役に立てるかどうか自信はありませんでしたが、せっかくのお誘いなので、中海で自然再生の社会的評価ツールを使ったワークショップを行うことにしました。その内容については、以下の文献にまとめています。

 
菊地直樹・敷田麻実・豊田光世・清水万由子,2017,「自然再生の活動プロセスを社会的に評価する:社会的評価ツールの試み」宮内泰介編『どうしたら環境保全はうまくいくのか:現場から考える順応的ガバナンスの進め方』新泉社,pp.248-277

その後も、自然再生センターの人たちとは、一緒にツールを開発したり、一緒に各地でワークショップを開催したり、金沢で講演をお願いしたりと、色々とお付き合いが続いています。

今回は、上記のツールとは異なる視点から、中海の自然再生の基本的な考え方や活動について社会的評価させていただきました(評価というほど大したものではないのですが)。改めて資料を調べ、簡単な分析をしたところ、活動の手続きを大事にしていることから多くの人から受容されていることが見えてきました。

私の講演は不十分な内容でしたが、浚渫窪地再生の研究と実践をしている島根大学の先生から、自分の取り組みをとらえ直せたとの感想もいただきました。少しでもお役にたったのなら嬉しいです。
久しぶりの松江。楽しい知人たちが住む落ち着くいい街です。
また行きたいと思います。

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