本が出版されました!
宮内泰介・三上直之編『複雑な問題をどう解決すればよいのか−環境社会学の実践』新泉社
「環境社会学において構想される問題解決とは、あらかじめ定式化された方法に沿ったスマートな問題の処理や、そのための方法の案出などとは対極にある、至って泥臭い営みである」(編者)
本書にはさまざまなフィールドでの泥臭い営みが綴られています。
企画していただいた宮内さん、三上さんに感謝です。
私はコラム「『評価』を使って問題を解決する−環境活動の『見える化』ツール」を書きました。
目次:
序章 複雑な問題をどう解決すればよいのか――環境社会学の視点……宮内泰介
I 現場に根差して問題のとらえ方を変える
第1章 「生活」の論理から基地問題の解決を考える――辺野古住民が望む未来の選択へ……熊本博之
第2章 生業の論理から林業と中山間地域の課題を考える――「林業を始める若者たち」にみるボランタリーな生活組織への注目……家中 茂
第3章 話し合いから歴史的環境の継承とまちづくりの課題解決を考える――地域の伝統によって導かれた鞆の浦の町並み景観保全……森久 聡
コラムA 「よそ者」として地域に寄り添う――アフリカゾウ獣害問題の現場から……岩井雪乃
コラムB 防潮堤をめぐる地域の声と環境社会学の実践……山下博美
II 知識と資源を使って協働のプロセスを生み出す
第4章 多様な人材との共創で価値を転換する――地域に這いつくばって起こす獣がい対策のソーシャル・イノベーション……鈴木克哉
第5章 多層的なガバナンスから流域環境問題の解決を考える――琵琶湖流域における協働の試みから……脇田健一
第6章 統合知を生かして複雑な課題に取り組む――社会・生態系システムの本質的転換に向けて……佐藤 哲
第7章 社会実験による解決を考える――再生可能エネルギーの適地抽出に向けた住民参加の研究実践……丸山康司
コラムC 「評価」を使って問題を解決する――環境活動の「見える化」ツール……菊地直樹
コラムD 環境社会学の知見を政策の現場に生かす……嘉田由紀子
III 問題解決のための場をつくる
第8章 ミニ・パブリックスで公論形成の場をつくる――気候市民会議の試みから……三上直之
第9章 順応的な社会運動で解決を考える――原発反対運動支援の試行と模索を事例に……青木聡子
第10章 公共圏の活性化によって解決を考える――環境社会学者が社会に果たす役割……茅野恒秀
終章 小さな単位から出発する環境社会学の問題解決……宮内泰介・三上直之