プロフィール

金沢大学 先端観光科学研究所 教授

 

 1999年10月から2013年1月まで、兵庫県但馬地域ですすめられている絶滅危惧種コウノトリの野生復帰プロジェクトに参加してきました。環境社会学をベースに、人とコウノトリのかかわり、コウノトリを基軸にした総合的な環境保全、多様な関係者間のコミュニケーション促進、地域環境保全学の構築など、異分野・異業種融合的なアプローチから、野生復帰の実現とそれを軸にした包括的な地域再生活動に取り組みました。兵庫県立コウノトリの郷公園の研究員として、行政の一員として、地域住民として、という複数の顔を持ちながら・使い分けながら・融合させながらの活動。このような研究者でもあるとともに地域に暮らす地域住民でもあるという立場から、地域の課題解決に向けた研究をおこなう研究者のことを「レジデント型研究者」と定義し、その可能性と課題を明らかにすることが、だんだんテーマとなりました。

 2013年2月、京都市に所在する総合地球環境学研究所に研究活動の拠点を移し、「地域環境知形成による新たなコモンズの創生と持続可能な管理」プロジェクトに参加しました。このプロジェクトでは、国内外のさまざまな分野の研究者、活動家との交流を深め、地域住民主体の資源管理に関する順応的ガバナンスのあり方について学びました。全国のレジデント型研究者への聞き取り調査を行うことが私の主な研究活動でした。また自然再生の社会的評価にかんする研究もすすめ、認定NPO法人自然再生センター、中海自然再生協議会と協力しながら、評価ツールの開発に取り組みました。

 2017年10月、金沢大学地域政策研究センターに着任し、北陸地方で地域政策、地域マネジメントにかんする研究活動を始めているところです。

 最近の関心は、やはり「コウノトリの野生復帰(野生生物と地域社会の関係)」、そして「レジデント型研究の課題と可能性」「自然再生・環境活動のプロセスの見える化」「日本語で考える環境のことば」「ジオパーク」などなどです。

 

 幸い、豊岡、京都、金沢と素晴らしいところに住むことができました。京都は学問の街。いろいろな刺激を受けましたし、魅力的な観光名所が多く、飽きることのない街です。仕事が忙しくてあまり歩けなかったことは、ちょっと心残りです。金沢については正直まだよくわかりませんが、いろいろと文化の香りがする街だと感じています。コンパクトにまとまっていて、とても住みやすい街だと思います。なにより料理とお酒が美味しい。回転寿司の美味しさにびっくりしました。

 それぞれのよさがあるのですが、やはり豊岡はわたしの原点だと思っています。豊岡に住みはじめたのは30歳になったばかりの頃。13年4ヶ月暮らしたなかで、研究者としても人間としてもずいぶん鍛えられました。大規模な聞き取り調査を実施して「聞く」という手法を深められましたし、地域にとってのコウノトリという視点を学ぶことができました。大きなイベントであるコウノトリの放鳥にも携わることができました。行政や農家、市民との付き合いも深まり、「鶴見カフェ」というサイエンスカフェを運営してファシリテーターとしての経験を蓄積できました。水害にもあい、雪に埋もれたり夏の暑さに閉口したりと自然の厳しさ、そして豊かさを実感しました。市民農園の畑を耕し、作物を栽培する楽しさと大変さを感じ取りました。今でも豊岡に行くと、遠慮のない付き合いや時に毒々しい話を聞けたりと、距離感が違うと勝手に思っています。

 

菊地直樹の履歴

  • 国立大学法人金沢大学 先端観光科学研究所 教授
  • 総合地球環境学研究所 客員准教授
  • 専門:環境社会学 
  • 学位:博士(社会学)(立教大学)
  • 1969年生まれ

職歴

  • 1999年10月−2013年1月 兵庫県立大学自然・環境科学研究所 講師/兵庫県立コウノトリの郷公園 研究員
  • 2013年2月−2017年9月 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 総合地球環境学研究所 准教授(2017年3月まで「地域環境知形成による新たなコモンズの創生と持続可能な管理」プロジェクト・共同リーダー)
  • 2017年10月− 国立大学法人金沢大学 人間社会研究域附属 地域政策研究センター 准教授
  • 2022年10月−国立大学法人金沢大学 人間社会研究域附属 先端観光科学研究センター 教授

    2023年4月−国立大学法人金沢大学 先端観光科学研究所 教授

学歴

  • 1988年 愛媛県立宇和島東高等学校普通科卒業
  • 1992年 創価大学文学部社会学科卒業
  • 1994年 創価大学大学院文学研究科社会学専攻博士前期課程修了
  • 1999年 創価大学大学院文学研究科社会学専攻博士後期課程単位取得退学
  • 2009年 立教大学大学院社会学研究科 博士号取得

 

学会・社会的活動など

所属学会

  • 環境社会学会
  • 「野生生物と社会」学会
  • 日本質的心理学会
  • 湿地学会
  • 日本生態学会
  • 日本エコミュージアム研究会
  • 地域環境学ネットワーク

学会運営

  • 環境社会学会, 理事 .2009.6-2013.6, 2015.6-2017.6
  • 環境社会学会, 編集委員長 . 2015.6-2017.6
  • 環境社会学会, 編集委員会事務局長. 2013.6-2015.6
  • 環境社会学会, 編集委員. 2011.6-2012.6
  • 環境社会学会, 研究活動委員会委員. 2007.6-2009.6
  • 湿地学会, 編集委員. 2009-2015
  • 日本エコミュージアム研究会, 理事. 2007.4-2010.3,2012.4-現在に至る
  • 日本エコミュージアム研究会, 編集長. 2008.4-2009.3,2017.4-2018.3
  • 地域環境学ネットワーク,事務局長.2016-現在に至る

社会的活動

  • 豊岡市「コウノトリ野生復帰の新たな目標を考える懇話会」座長.2018.7-
  • 環境省「ナベヅル、マナヅルの新越冬地形成等に関する検討会」委員.
  • 環境省「ナベヅル、マナヅルの新越冬地形成等に関する専門家会合及び検討会」委員.2013.11-2015.3
  • 豊岡市「豊岡市環境審議会」会長.2010.8-2014.7
  • 豊岡市「豊岡市環境審議会」委員代理.2008.9-2009.8
  • 越前市「越前市コウノトリが舞う里づくり構想策定委員会」アドバイザー.2010.4-2013.3
  • 豊岡市「コウノトリ野生復帰学術研究奨励補助制度」審査委員.2010.4-2014.3
  • 国土交通省近畿地方整備局「円山川流域委員会」委員.2003.3-2013.3
  • 文化庁「地域文化財としてのツル渡来地の活用方策に係る調査委員会」調査検討委員.2001.4-2004.3
  • 兵庫県県民局生活部「コミュニティによる緑の保全・創出事業」アドバイザー.2001.4-2004.3
  • コウノトリ湿地ネット,監事.2009-現在に至る
  • 国立歴史民俗博物館,共同研究員「日本歴史における水田環境の存在意義に関する総合的研究」.2005.4-2008.3

受賞

  • 第8回日本質的心理学会学会賞 優秀コミュニティ研究論文賞, 日本質的心理学会,2016.9.24
  • 兵庫県知事表彰,兵庫県,2011.11.24
  • 第25回 村尾育英会学術賞 学術奨励賞,(財)村尾育英会,2008.3.8
  • 日経地球環境技術賞(第17回)(代表:池田啓),日本経済新聞社,2007.11.19
  • 第3回 観光に関する学術研究論文:観光振興又は観光開発に対する提言 奨励賞,(財)アジア太平洋観光交流センター,1997.12.13
  • 第2回 観光に関する学術研究論文:観光振興又は観光開発に対する提言 奨励賞,(財)アジア太平洋観光交流センター,1997.3.1

 

そのほか

趣味はあまりないのですが、あえていえば旅行に行くこと、映画を見ること、洋服を見ること・買うこと、トレッキング。うさぎ好き。
太りやすい体質・生活習慣のため、運動を取り入れていく必要があると実感。ここ2年ほどジムに通っています。金沢のジムで体力測定をしたら、柔軟性とバランス感覚がとても悪く、筋力不足気味も指摘されました。ボディーバランスというプログラムに参加して柔軟性と体幹力が上がってきたのか、大雪の今年(2018)は転びませんでした。
そうそう、似顔絵は総合地球環境学研究所の和出伸一さん作。送別会で披露してくれたのですが、似ていると評判でした。こんな顔しているんですね。和出さん、ありがとうございます。

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