いしかわ生物多様性カフェ

いしかわ生物多様性カフェ

第一回いしかわ生物多様性カフェ・アンケート結果

第一回いしかわ生物多様性カフェのアンケート結果(速報)です。

データを示すだけで特に分析はしていません。

一般参加者数:40名

回答者数:34名

回答率:75.0%

 

 

①年齢

 

 

10代:8.8%(3名)、20代:8.8%(3名)、30代:14.7%(5名)、40代:20.6%(7名)、50代:32.4%(11名)、60代:8.8%(3名)、70代:5.9%(2名)

10代から70代までの方々が参加者されました。40代と50代で約半数を占めています。

 

 

②性別

 

男性:29.4%(10名)、女性:70.6%(24名)

 

 

③職業

 

会社員:14.7%(5名)、公務員:14.7%(5名)、教員:8.8%(3名)、自営業:11.8%(4名)、主婦/主夫:5.9%(2名)、パート/アルバイト:8.8%(3名)、学生:23.5%(8名)、無職:2.9%(1名)、その他:8.8%(3名)

大学の研究室主催のカフェだからでしょうか、学生が一番多くなっていますが、さまざまな職業の方が参加していることがわかります。

 

 

④今回のカフェの満足度

 

大変満足:35.3%(12名)、満足:52.9%(18名)、どちらともいえない:8.8%(3名)、あまり満足ではない:2.9%(1名)、満足ではない:0.0%(0人)

90%近くの参加者が満足(大変満足と満足を合わせた数値)したと回答しています。

 

自由回答には以下のような言葉が寄せられました。

・せっかくの中村先生のスライド、ゆっくり全部見たかったです。

・さまざまな職種の方と知り合える、知見を深めれる良い機会だったため。

・大学の講義のような、かたい空間ではなく、誰でも気軽に発言できることで、身近なところから生物多様性の分野に触れることができたから。

・多角からの意見をきいて、漠然とした自分の考えがはっきりしてくるようでした。また、話をききたい。

・自分の知らない周りの現状や自然と暮らしの関わりについて学ことができたので良かったです。

・菊地先生のまとめ・要約がよかったです。

・人間からの目線の生物多様性の話が中心で、本来の意味での生物多様性の大切な話を聞きたかったです。

・環境、自然に興味ある方々の色々な話の場。石川のよりよい方向を考えていけると思う。

・金大は街に出かける通り道で大変身近な存在であるにもかからわず、我が家の3人の子供たちは誰も金大に進学してくれなかったので、金大でどのような活動がされているのか、ほとんど知らずに過ごしてきた。国内外の幅広いお話が聞けて世界観が広がった。

・発言する勇気が出なかったことが惜しかった。

・様々な意見が出たこと。

 

 

⑤参加して生物多様性と人の暮らしについて、考え方は変わりましたか?

 

大きく変わった:9.1%(3名)、変わった:42.4%(14名)、どちらともいえない:18.2%(6名)、あまり変わらない:24.2%(8名)、変わらない:6.1%(2名)

5割強の参加者が変わった(大きく変わったと変わったを合わせた数値)と回答しています。

 

自由回答には以下のような言葉が寄せられました。

・せわしい日々の中、ついつい「今だけ」になりがちですが、改めてこれから「先」を考える良い時間となりました。

・年上、年下の方の意見から大きく学ものがあり、自分の考えにプラスαできた。

・普段何気なく生活していたが、スーパーマーケットにならぶ食材といった、生活に接しているところからも、生物多様性のためにできることを考え直すことができると思った。

・かなり自分の考えていることと一致していることが多かったです。人口減少を悪い点からしかみれていないこと、ポジティブの面もあることがあまり評価されていないことや、ジェンダー、経済との密接な関わりも重要な論点であると再認識しました。

・中村先生の講演は広範で刺激的でした。

・希少種の保護のためには何をすべきかといった話が中心になると思っていたのだが、実際は人口減少、高齢化などの話題が中心で、参加者もそれを自然に受け入れていて、生物多様性と人間活動との繋がりについて、みなさんが意識していることが驚きだったし、興味深かった。

・ポジティブな面で石川の現状も知れました。考えてみるのもたしか

・今やれることを続けてやります。

・生物多様性と人の暮らし、この繋がり、人とのつながりをもっと知りたいと思いました。

・生物多様性が重要であるとの認識はあったが、それが人の暮らしとどのようにかかわってくるのかと結びつけて考えることはしていなかった。

 

 

⑥今後も参加したいと思いますか?

 

参加したいと思う:93.9%(31名)、思わない:0.0%(0名)、わからない:6.1%(2名)

今後も参加したいという回答者が9割を超えています。

 

 

⑦興味があるテーマ

・山林(林業)をいかに活かしていくか。

・山の再生。「自伐型林業」はじめて聞きました。

・経営。主に軍資金面から考える生物(環境)保全

・祭りなど、人口減少が顕著である地域における、継承されるべき文化について

・知らないことは、どんなテーマでも知りたいです。

・地域のプロジェクト

・生態系サービス(資源)に、付加価値を高めるのはどうしたらいいのか考えています

・七尾湾をめぐる生物・植物

・ジェンダーと文化的特性の関わり。国際的な自然や生物多様性の位置付け。

・・生物多様性の大切さを次世代にどのように伝えるか、人間(自然)の生活のもっと深くを支えるものとして

・たくさんの人に自然に興味をもってもらうには

・子供と自然体験から新しく得られる環境教育

・地域ごとのものがたり(文化)

・自然・文化と子どもたちへの継承

・子ども連れでも参加しやすいものも!

・子ども哲学

・知識もなく、若くもなく、資金もない、大半の人間が、生物多様性と人の暮らしについて何ができるのか。10年後には65歳以上の人が日本では6人に1人(記憶違いだったらすみません)。その中でできること

・ジェンダー・平等

・民俗系の話

 

 

⑧全体としての感想として、以下の声が寄せられました。

・色々な世代・背景の方のお話をお伺いでき、楽しかったです。ありがとうございました。

・多様な方々の集まりで楽しかったです。普段は中々出会えない方々との出会いで、今後、カフェがどのように発展していくか楽しみです。

・さまざまな職種、年齢の方のお話が聞けてよかったです。ありがとうございました。

・先生の貴重なお話を聞く良い機会だったが、1時間半という短い時間のため、みんなで話し合う時間を増やしてほしいと感じた。

・一般的な知識としての「里山」「SDGs」しか知らず、上部だけの綺麗事ばかり考えていたが、体当たりで関わっていくことで、見えてくるものもあるのではないかと思った。

・いしかわ自然学校が2002年にできたことが分かったので、ルーツをたどっていきたいと思いました。

・いろいろな立場の方からの話、大変おもしろく拝聴しました。若い方から年配の方まで、いろいろな方のお話を聞けるのがよかったです。小グループでの話ができると、今回発言できなかった方もしゃべりやすいかもしれません。おとなりの方のお話も聞きたかったナと思います。大変満足しております。ご準備等ありがとうございました!

・議論が次々展開していくのが面白かった。自分も意見が言えたら良かった。

・中村先生の講義だけでなく、参加されているみなさんが考えていることや、自身の現状を知ることができ、とても有意義な時間となりました。自分は発言することができなかったのですが、今後の開催にも参加をし、対話を進めていきたいと思います。

・思っていたよりも多様な方々が参加していて楽しかったです。参加者のコメントに対して、講師の方のお考えももう少しうかがいたかったです。

・経済成長、環境問題、里地里山と、時代によって取り組むべき課題は移り変わっているという、中学校の先生のコメントがとても印象に残りました。

・人間にとってのメリット・デメリットの話で考えると、本当の多様性の意味や必要性を見失わないかと感じた。

・自分が知りたかったことと、知らなかったことなど、たくさんの人の意見を聞くことができてよかったです。

・子供を連れてきて良かった。発言する娘が頼もしかったです。年齢の枠をこえての交流は良いです。

・色々な方のお話が聞けて良かったです。テーブルごとに対話もしたかったかも。

・テーブルで対話できればよかった。

・生物多様性について、広い視点で知ることができました。次回も楽しみです!

・もう少し交流の時間を取れると良いかなと。

・何も知識のない中、自分にできることは何か考えるきっかけができました。また、何か出来るところはないか情報があればいいと思いました。

・多様な人が話し合い、交流できる場に感謝しています。

・大変な局面にあると考えさせられた。最後に色々な方々のお話が聞けて勉強になりました。考えさせられた。もっと皆様の意見を聞いてみたいと思いました。

・いろいろな年代の、いろいろな立ち位置の人々の話をきけて、とても参考になった。よろよろと生きている年寄り(自分)にもできることが、まだまだありそー!と明るい希望がみえたひと時になった。ありがとうございます。

・多様な世代の方のお話を聞くことができてよかったです。

・自由なところが良い。

・高校生の指摘。それを聞いて、参加してよかったと思う。若い世代の意見を聞けてよかった。

・熱心な方が多くて驚きました。どのようなモティベーションで参加している人が集まった場なのか気になります。

 

 

 

第一回いしかわ生物多様性カフェ記録

開催日時:2023年9月29日(金)18:30〜20:20

開催場所:石川県立図書館食文化体験スペース

話題提供者:中村浩二さん(金沢大学名誉教授)

テーマ:生物多様性から考える、いしかわの現在と未来(総論)

参加者数:約50名(一般参加者40名+スタッフ・関係者10名程度)

 

 

まず私から趣旨説明。5分のはずが10分も話してしまいました・・・。

 

以下の三つの基本ルールのもと、対話を進めていきましょうと伝えました。

・誰でも参加できること

・誰でも発言できること

・発言を否定しないこと

 

話題提供者は、金沢大学名誉教授の中村浩二さん。

 

なぜ生物多様性が大事なのか?それは私たちにさまざまな恵み(生態系サービス)をもたらしてくれるからです。ただ、石川県では少子高齢化がすすみ人による管理が難しくなり、生物多様性の劣化が進んでいます。その解決を目指し、人材育成を中心としたさまざまなプロジェクトを動かしてきました。未来に向けて、①モニタリングと自己評価、②人材育成、③国内外への発信、④資金が重要であると提案されました。石川県をはじめとしたさまざまな現場で長年にわたって、人の暮らしと生物多様性について実践してきた中村先生ならではの、詳細かつ迫力のある報告でした。

 

話題提供を受け対話を開始。私の学生が作成した記録をもとに、対話の様子をお伝えします。

 

Aさん(能登マイスターOB):獣害問題が大変で、調査で電気柵が役に立たない状況であることが分析された。高齢化で設備維持が困難な状況です。祭りの伝承が困難な集落もあり、10年前から集落の衰退という厳しい現実に向き合っています。

 

Bさん:人の暮らしと生物多様性というテーマに惹かれて参加しました。自然が自然をコントロールしているし、人間の行動が自然をコントロールしている。生物多様性減少も見られる。遺伝子組み換え、農薬の使用によっても生物多様性が減少しているのか。人の暮らしとどう連携していくのか。自然に関心を持っていない人は自然とのかかわりをどのように思っているのか知りたいです。

 

Cさん(農家):過疎、少子高齢化の理由は高度成長期に国の政策の中で、核家族、減反政策のせいではないでしょうか。後継ぎがいなくなることを国が誘導している。親と子が離れると、地域のコミュニケーション・絆の衰退につながると考えています。

 

Dさん(高校生):女性がより働きやすい社会ほど、子どもが減少しているのではないだろうか。教育する立場の人間はSDGsを理解しているのでしょうか、伝えるときにどのようなことを意識しているのでしょうか?

 

Eさん(農家):有機農業20年以上取り組んできました。Dさんの問いに対しては、個人差があると思います。私は、昔から、環境に対して問題視していました。5年後からどんどん土壌が改善してきました。丈夫な作物ができるようになってきました。お金、知識がない高齢者でも何か貢献したいという人がいます。何ができるかと言えば、有機農業だけではなく、もっと簡単なことから始めることもできると思う。

 

Fさん(金沢大学院生):小学校の非常勤講師の経験があり、そこから言えることは、正直、SDGsはやっている暇がありません。教科書を終えることで手いっぱいです。生物多様性について、野菜が高い、マグロが通年食べられる。私たちはお金がないから安い方を買ってしまいます。お財布事情と生物多様性を考える気持ちの葛藤があります。

 

Gさん(大学教員):授業でも人口減少が問題といっているが、ネガティブにとらえるだけでいいのでしょうか?ポジティブに考えると、人口減少が生物多様性を良くしているかもしれません。人口減少で担い手が足りないと言っていますが、本当に担わなければならないものなのかどうか?たとえば、江戸時代はお祭りがシンプルでした。明治、昭和になると段々と派手になってきました。今後はスリム化していく必要があるのではないでしょうか?人口減少の中で、何を残していくのか選択する必要性があると思います。ロボットに任せるものは任せる。

 

Hさん:人口減少により、お祭りなどに女性が参加しやすくなっています。性別による区別が段々となくなってきました。女性も地域に入りやすくなってきています。今だからこそ出来ている状況があると思います。

 

Iさん(林業): ボランティアでは続かないので、自伐型林業をしています。自伐型林業は小さな林業ですが、美しい森をつくる活動でもあります。森と人をつなげていく活動をしていきたい。自伐型林業で本気のSDGsをやっているという自負があります。

 

Jさん(中学校教員):中学生に何か伝えようと思って参加しました。経済成長、環境問題、里山里海と、時代によって取り組むべき課題は変わってきています。10年前と比べて、今の教科書の方がSDGsなど環境問題に対するコンテンツのボリューム膨らんでいます。中学生の方がその問題に目を向けています。大人が悲観するべきではないと思います。戦後の荒れ果てているところから発展させた人々がいます。今生きている人がどうゆう風に生きていきたいかを考えることが第一歩だと思います。五郎島金時を選ぶという選択は、金沢の農家のことを考えることであります。大人が学び続ける姿勢が大事。

 

石川県立図書館副館長:県立図書館は知の広がりと多様性を重んじていますが、今回のカフェはその理念と一致する取り組みであると思いました。生物多様性については老若男女の多様な議論をすることが重要。多様な市民の議論により、明るい未来がひらけてくるのではないでしょうか。図書館にいろんな人が来てくれるのが嬉しい。高齢者の隣で若い人が一生懸命勉強をしています。無意識的にコミュニティが形成されています。昔からの知恵を伝えることが現役世代の義務だと思います。県立図書館の75%が能登ヒバで作られています。伝統工芸品もたくさん使用しています。こうしたことは行政の責任です。

 

中村浩二さん:少子化に対して予算を沢山出しても、本当に効果が出るのかは分かりません。もっとしっかりモニタリングする必要がある。たとえば、空き家をもっとしっかり実態調査する必要があります。分析して対策していく。そして、お金を使って人材育成。皆さんがどのような意見を持っているかが大事です。

 

井上尚子さん(いしかわ自然学校):まずは自然を好きになってもらうこと。

 

 

老若男女の方々のそれぞれの現場での経験や考えなどから、少子高齢化や日々の暮らしと生物多様性の関係などなど、対話がつながっていきました。人口減少が悪いことなのかという問いや、最年少の高校生から大人はSDGsとか言っているけど、本気で何かしようとしているのか?といった問いもあり、対話は尽きない感じでした。ちょっと時間が短かく消化不良だったかもしれません。

 

当初、定員は対話しやすさから20名程度としていましたが、関係者のみなさんのお力で、参加者がどんどん増え、結果的にはスタッフを含めて約50名という人数となりました。初めての試み、初めての会場ということで、参加者や関係者には、色々と不便をおかけしたこともあったかと思います。発言したくても発言できなかった人もいたと思います。今回の発言者は10名でしたが、もっともっと多くの人に話をしていただき、そのお話を聞いてもらいたいと思っています。思っていたものと違うと感じた人もいるかもしれません。

今回の経験を踏まえて、改善できるところは改善していこうと思います。

 

図書館ならではということで、生物多様性の関連図書を並べていただきました。手に取っていただく時間を十分に取れず、もったいなかったです。

 

 

当日のアンケート結果については、改めて報告します。

 

これからも、ゆるく繋がりながら、大事なことを話し合っていきたいと思います。

 

関係者のみなさん、参加者のみなさん、ありがとうございました。

 

これからもよろしくお願いします。

いしかわ生物多様性カフェはじめます(第一回 2023年9月29日)

人の暮らしと生物多様性について、コーヒーなどを飲みながら、市民と専門家が対話する場としての「いしかわ生物多様性カフェ」をはじめます。

対話を通して、生物多様性を活かした石川の未来を考える機会、生物多様性がテーマのネットワークをつくりたいと考えています。

当面は、2ヶ月に一度程度の間隔で開催します。

 

第一回

【話題提供者】中村浩二・金沢大学名誉教授

【テーマ】生物多様性から考える、いしかわの現在と未来

【日時】2023年9月29日(金)18:30〜20:00

【場所】石川県立図書館 食文化体験スペース(対面のみです)

【対象】どなたでも参加できます(参加費無料)

【定員】20名程度

【主催】金沢大学先端観光科学研究所 菊地直樹研究室

【共催】石川県立図書館、いしかわ環境パートナーシップ県民会議(いしかわ自然学校)

【協力】石川県立大学 上野裕介研究室

 

 

【申込方法】

参加をご希望の方は、以下の申込フォームから必要事項をご記入の上、お申し込みください。なお、当日の受付も可能です。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf00pgu2KO1v857JpO3okxLyRuQeC7x1SJ5CfW-5pTRSRP4Zg/viewform

 

 

 

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